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クリニカルレポート

NSK Clinical Report07アクセスしにくい部位へのZ45Lを使用したストレスフリーな形成・処置

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小川 勝久

医療法人社団清貴会 小川歯科・天王洲インプラントセンター
神奈川歯科大学 歯科補綴学講座 客員教授 歯学博士

小川 勝久

はじめに

 日常臨床における窩洞・支台歯形成には、精密かつ正確な処置が求められる。そのため、形成目的に合ったバーの選定だけでなく、切削器具やハンドピースの適性も重要な要素となる。
 従来のタービンやコントラアングルハンドピースでは、形状や視認性の問題から、バーを適切な位置に到達させることが難しい場合や、特に大臼歯の遠心部や前歯部の口蓋側などのアクセスが困難な部位においては、バーを形成したい部位や軸面に合わせることが難しいことがあった。しかし、Ti-Max Z45Lを使用することで、これらの問題を解決できる可能性がある。このハンドピースは、特にアクセスしにくい部位へのアプローチをサポートし、精度の高い処置を行うための利便性を提供している。
 本稿では、Ti-Max Z45Lを使用した際の臨床的な優位性について、実際の使用例を通じて紹介する。

Ti-Max Z45Lとは

 Ti-Max Z45Lは、これまでの一般的なハンドピースと異なり、ヘッド部45度の独自の形状をもつことから、視認性が向上。これまで届きにくかった大臼歯遠心部や前歯部口蓋側にバーを容易にアクセスさせることができ、精密・正確な施術が行える(図1)
 また、高いトルクに加え注水方式の切り替えによりチップエアーのないジェット注水が可能となっており、下顎智歯抜歯時の切断・除去や歯周外科・歯根端切除の観血的処置においての気腫の予防にも役立つ優れたハンドピースである(図2)

臨床的優位点と応用例

 Ti-Max Z45Lの一般臨床における優位点と応用例について紹介する。
 前述したようにTi-Max Z45Lでは、その形状により、一般的に対応が難しい症例であっても、バーの当て方やハンドリングで施術の幅が広がった点に加え、視認性が向上したことにより、歯軸や根管内・外科処置時でも目視できる症例が増えた。結果、安心して施術を行うことができ、より良い形成や切削が行える。
 以下、抜歯時等での観血処置・支台歯形成・根管内形成・窩洞形成等の臨床応用についても図解にて説明する。

おわりに

 今回紹介したTi-Max Z45Lは、単なるハンドピースではなく、形成や補綴・エンド・抜歯・骨外科等にも幅広く応用できる機器である。バーの先端や側面への操作感覚や視認性が向上することで、より正確で繊細な治療が可能になると期待される。
 Ti-Max Z45Lを使用することで、患者に快適な医療を提供し、精密な治療を実現できると考える。

※医院での事例紹介や個人的な感想も含まれます。



参考文献
1) 小川勝久. 巻頭特集 ビジュアルで学びなおす支台歯形成. デンタルダイヤモンド. 2018:(43)13.27-43.
2) 小川勝久. 支台歯形成. 東京. デンタルダイヤモンド社. 2020.



小川 勝久 Katsuhisa Ogawa

  • 1982年 城西歯科大学卒業(現・明海大学) 歯科補綴学第二講座・助手
  • 1990年 医療法人清貴会 小川歯科・天王洲インプラントセンター 開院
  • 1996年 学位記・歯学博士号所得
  • 2012年 神奈川歯科大学 歯科補綴学講座 客員教授

  • 日本補綴歯科学会
  • 日本歯科保存学会
  • 日本顎咬合学会
  • Osseointegration Study Club of Japan
  • Club22